日本では関節内ステロイドはそう頻繁に使われていないと推察されるが、欧米では関節内コルチコステロイド(IACS)注射は、変形性股関節症やその他の関節関連の疼痛症候群の治療に頻繁に行われています。
昨年、OARSIではOAに対するステロイド関節内注射について合併症のない群ではレベル1Bと定義しています。
昔からコルチコステロイド関節注射の副作用については報告が多数されています。
IACS注射後の患者では、4つの主要な有害な関節所見が観察されています
1)OAの進行促進
2)軟骨下不全骨折
3)骨壊死の合併症
4)骨損失を含む急速な関節破壊です。
医師は、このようなイベントのリスクがある可能性のある関節を特定するのに役立つ画像所見と患者の特徴に精通している必要があります。
ただ、IACS注射による治療後にOAの増悪促進や有害な関節イベントのリスクの増加など、潜在的な関節所見を評価したプロスペクティブ研究や大規模なレトロスペクティブ研究はまだありません。下記の論文では既存の文献をレビューし、IACS注射後に観察された関節の各有害事象(HipのRPOA1が7%、RPOA2が0.7%、KneeのRPOA1が3%、RPOA2が0.7%)について説明し、これが臨床にどのような影響を与えるかについて展望を示しています。
Intra-articular Corticosteroid Injections in the Hip and Knee: Perhaps Not as Safe as We Thought?
- Andrew J. Kompel, Frank W. Roemer, Akira M. Murakami, Luis E. Diaz, Michel D. Crema, Ali Guermazi
Published Online:Oct 15 2019https://doi.org/10.1148/radiol.2019190341