身体の所有感は色々なものに影響する。
ここで紹介する論文では、人工の手や体のない物体に対する錯覚的な身体所有が痛みの知覚を調節するかどうかを調べた。これまでの研究では、痛みを感じる刺激と錯覚を誘発する刺激を分離して、痛みの知覚をテストしてきた。ここでは、ラバーハンドイリュージョン(RHI)パラダイムの一種であるラバーハンドイリュージョン(RHI)パラダイムを用いて、視覚刺激と有痛刺激を組み合わせて直接錯視を誘発させた。実際の手に熱痛刺激を与え、ゴム製の手の下に視覚刺激を与えた。その結果、両実験ともに非同期条件に比べて同期条件の方が錯視評価が高く、痛み評価が低いことが分かった。本研究では、痛みを伴う刺激を用いた新しい視覚温熱法を用いて、身体の錯覚を誘導することに成功した。本研究では、熱刺激の知覚にRHIとガラス球が鎮痛効果を持つことを明らかにした。我々のデータは、義肢や体のない物体を所有することで痛みの知覚が減少することを示唆している。これは、知覚された痛みの場所が部分的に参照されるか、あるいは2つの場所への痛みの分布を介して媒介されている可能性がある。視点。本論文では、ラバーハンド錯視を誘発するために、痛みを伴う刺激を用いた新しい視覚温熱法を紹介する。人工的な手と非身体的なものの上の幻想的な身体の所有権は、痛みの知覚に鎮痛効果を持っています。同様のアプローチは慢性的な痛みを緩和するのに役立つかもしれないが、さらなるテストが必要である。
Synchronous stimulation with light and heat induces body ownership and reduces pain perception
Larissa Cordier
Xaver Fuchs
Stephan Herpertz
Jörg Trojan
Martin Diers
Published:November 04, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/j.jpain.2019.10.009