汗と筋(1:発汗メカニズム)

2020年6月16日火曜日

今年も夏がやってきつつある。汗が額から流れ出ること自体、不快で疲れる感じが否めないが熱中症、脱水による足のこむら返りなど引き起こすともう大変である。
そこで今日は汗はどうやって出るのか?出ないようにするほうがいいのか?もし出ないようにするにはどうやったらいいのか?汗をかきすぎると起こる筋痙攣はどうやって引き起こされるのかなど考えてみたい。
エクリン汗腺とアポクリン汗腺
体全体に分布する小さな汗腺がエクリン汗腺であり体温調節などの機能を担う。
アポクリン汗腺は腋窩、乳輪、外耳道、鼻翼、鼻前庭、臍囲、外陰部、成人男性の顔面の髭の生えた部分の皮膚などに分布、発汗はアドレナリン作動性であり、主に情緒刺激で発汗する。持続的に発汗することが多く、体内調節性発汗の機能は乏しい。

発汗のメカニズム
汗は体温が上昇したとき、緊張したとき、辛い物を食べたときなどに出てくる。
ある意味、汗をかくメカニズムは非常にうまくできている。汗腺は交感神経節後線維のみに支配されており(交感神経節後線維終末から放出される伝達物質は通常ノルアドレナリン)発汗運動神経( sudomotor nerve)からはアセチルコリンが分泌される。それに呼応するように汗腺にはムスカリン受容体(アセチルコリン受容体の一つ)があり、アセチルコリン作動性に発汗が促進される。
ちなみに、アセチルコリンの皮下投与は直接汗腺に働いて発汗を引き起こすだけでなく、sudomotor nerveを逆行性(antidromic)に刺激し、周辺のsudomotor nerveの興奮を引き起こすため周辺の発汗が増える。



基本的に発汗中枢は脊髄にあり、上位中枢は視床下部である。視床下部において他の自律機能と連絡し、体温調節が行なわれる。発汗中枢は運動中、睡眠中、解熱後に興奮性が高まる。また、運動中発汗量が増すのには汗腺周囲への血流量増大も関与する。
なお、汗の成分は大部分は水であるが、NaClが約0.65%、尿素0.08%、乳酸0.03%。
1つのエクリン汗腺が分泌する汗の量は1分あたり約2~20ナノリットルである。平均的な成人のエクリン汗腺約300万個であり、分泌可能量は10L/日に達する。
エクリン汗腺は血管から血液の成分を受け取って濾過し、汗の成分だけを体外に放出することで、その汗と一緒に表面の熱をにがすことで体温を下げる。特に1gの汗の蒸発は0.58kcalの熱を奪うので、100gの汗をかくと体重70kgの人では体温を1度下げることができるが、蒸発せずに体表面からポタポタと滴り落ちてしまった汗はこの計算外となる。

発汗を抑えるために
抗コリン剤(臭化プロバンテリン):
主に全身多汗症につかわれる。副作用は口喝であり、これを服用してジョギングをしたらとにかく、口の中がカラカラで息がしにくくて、汗は出ないが走れなかった。

塩化アルミニウム溶液:
汗管の細胞に作用し、この管を閉塞させることで発汗が減少する。作用は一過性であり継続的な塗布が必要

亜鉛依存性プロテアーゼ活性を持ち、神経筋結合部や自律神経終末においてSNAREタンパク質を分解することで神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害し、弛緩性の麻痺を引き起こしたり、汗を出なくする。

交感神経切除


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